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PCオーディオを巡る冒険

第16回 PCをNASとして使うには   山本耕司 page 1/2

やはりNASを作っておくと、これから何かと便利だ

先日、ある雑誌の記事執筆のためにミニコンポを何機種か試聴した。スピーカー込みで実売5万円から10万円以下のものだったが、それらはすべてネットワークオーディオとハイレゾ音楽データの再生対応がうたわれていた。また、ここ一、二年で発売されたAVアンプはネットワークオーディオの機能が付いている製品も多く、中には背面にインターネットからの信号を分岐するLANのハブ機能を持つ機種まであった。また、これらはAirPlayに対応しているものも多いが、AirPlayはアルバム一枚で数ギガバイトにもおよぶ非圧縮のハイレゾ音楽データの再生には不向きだ。ネットワークオーディオを楽しむとき、CDから非圧縮のWAVやAIFF、またはFLACやアップルロスレスなどのファイル形式でリッピングし、かつ余裕をもってハイレゾデータを保存するためには、やはりNASを作っておきたい。

だが、これまでも書いてきた通り、CDをNASにリッピングをするのは少々面倒でもあるので、できるだけスムーズに行いたいと考えるのが人情だ。何年か前のインターナショナルオーディオショウで、たしかリンのブースでCDを挿入すると自動的にリッピングしてくれるリッピング専用のNASを見かけたことがある。とても便利そうだったが驚くほど高価だったことを覚えている。

NASでPC? 新発想のオリオスペックRitmo

Oliospec ritmo
秋葉原の静音PCショップ・オリオスペック社の「Ritmo」という製品がある。リッピング・ミュージックサーバーPCというものだが(・関連記事:http://www.pc-audio-fan.com/news/pc/20121018_23235/  ・オリオスペック・製品紹介ページ  http://www.oliospec.com/ritmo.html)、NASとして使えるとのことで試す機会を得た。
RitmoはNASとしても機能するが、大型のヒートシンクを含むアルミ削り出し一体成形筐体のファンレスPCだ。CPUはCorei5で、起動用に64GBのSSDにWindows7がインストールされている。標準セットの場合はデータ保存用に1TBのHDDが搭載されているが、オプションでSSDに変更することも可能だ。

Ritmoを起動して光学ドライブに音楽CDを挿入すると、プリインストールされたdBpowerampが自動的に立ち上がってリッピング体勢になる。有料ではあるが、dBpowerampを使ったリッピングにはそれを上回る良さがあり、インターネットからのアートワーク(ジャケット写真)の取得だけを見ても実に機能的だ。
先のリッピング専用NASであってもインターネットに接続してデータベースからCDのタイトルなどを見つけてくるわけだから、中身は小規模なPCであることに変わりはない。それならば、最初からWindows7がインストールしてあるファンレスのPCでdBPowerampを使えば、高音質高品位なリッピングが期待できる。これがRitmoの基本構想だ。OSや必要なプログラムは64GBの専用SSDにインストールしてあるので起動をはじめ、動作が速く通常の使用ではまったくストレスを感じさせない。

dbpoweramp_twonky

オプションでプリインストールできるdBPoweramp(左)とTwonkeymnager(右)。

Ritmoの背面に、DVI-Dに加えてHDMIの端子があって普通の液晶TVなどを接続すれば、操作もできるし、DVDで映画を見ることもできる。また、USB端子が付いているので、外付けの光学ドライブやハードディスクを追加することも可能で、NASとして使用する場合、TwonkyManagerの設定により、同機に外付けのストレージも同一のNASとして認識される。

Ritmoは、たとえばリンのDSシリーズや前述のネットワーオーディオ機能をもったミニコンポからはDLNAのNASとして認識される。でも、Windows7搭載のPCでもあるので、一般に使われている単なるNASとは違う。PCとNASが合体し、しかもその二つがファンレスの贅沢な専用の削り出し筐体に納められているというものだ。だから、Ritmoにたとえばfoobar2000など音楽再生用アプリケーションをインストールしておけば、PCオーディオも楽しめるというわけだ。
ネットワークオーディオプレーヤーは再生時にPCが不要と言っても、配信音楽データのダウンロードやCDのリッピングにはPCが必要になる。「どこかでPCが必要なら、いっそのことPCとNASを合体させてしまえばよい」、こんな考えに基づいて作られたのがRitmoで、この存在を理解するには柔軟な発想を求められるかもしれない。

Ritmoの実機は写真から想像するよりもかなり薄く、しかし、オーディオ愛好者好みとも言える手ごたえのある重さが印象に残った。この連載『PCオーディオを巡る冒険』の第3回で、2007年に音楽専用PCを作ったことを書いたのだが(関連記事:http://www.pc-audio-fan.com/regular/pc-audio-adventure/20110121_3571/)、当時はRitmoに使われているような筐体が非常に高価だったことを思い出した。パソコンにおける5年の歳月は、“性能10倍、価格半分以下”にした。PCを自作する人は多いが、通常の自作ではRitmoのように高級感があり、かつコンパクトに仕上げることはむずかしいだろう。完成度の高さに加え、OSやアプリケーションのインストールや細かな設定などの手間を考慮すると、この値段は十分に納得がいくものだ。
(次ページへ続く)

 

 

Profile

山本耕司(やまもとこうじ)

1952年生まれ。魚座O型。20代は東京都公認の手話通訳者。TYスタジオを経て、30代~40代はフリーカメラマン。97年「茶の間にアート」で写真新世紀展優秀賞を受賞。50代は写真・音楽・料理・オーディオと幅広い分野の取り組む。2001年から「オーディオ・ベーシック」誌で執筆を始め、現在はPCオーディオ・エバンジェリストとしても活動中。

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