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厳選! ハイレゾ10本勝負

【2014年6月】~毎月更新~ 厳選! ハイレゾ10本勝負 文:麻倉怜士 page 1/3

●Dances of the Dolls
Serena Wang
Channel Classics
highresaudio.jp(WAV/FLAC/ALAC 192kHz/24bit ¥2,400)

オランダのChannel Classicsは、中国の有望なアーティストをフューチャーする「チャンネル・オブ・チャイナ」シリーズを展開している。その最新版が、2004年10月生まれのセレーナ・ワン(本名ワン・ヤルン/王雅)。本ファーストアルバムは2013年8月に録音。この時、何と9歳(!)。プーランク、ショスタコービッチ、現代中国のダン・ジャオイ、タン・ドゥンやホー・ルー・ティンによる子どものためのピアノ作品に加え、リスト『愛の夢』、ショパン『幻想即興曲』といった大人のロマン曲も演奏されている。
実に透明度が高い音。センターに正確に定位したピアノ音像は、大きすぎも小さすぎもせず適切サイズだ。演奏も大向こうの喝采を狙うのではなく、淡々とすべらかなタッチで奏でられる。ショスタコービッチなのに肩の凝らない小曲が愉しい。会場のソノリティが豊かで、響きの滞空時間が長い。一台のピアノから発せられた響きが音場に広く拡散してゆく様子が、まるで目で響きの粒子が追えるような明確さで捉えられている。

 

●Bruch: Violin Concerto No.1; Scottish Fantasia
Kyung Wha Chung, Royal Philharmonic Orchestra, Rudolf Kempe
Decca
e-onkyo music(WAV/FLAC 96kHz/24bit ¥2,777)

チョン・キョン・ファは昨年、東京文化会館で、ライブに接した。圧倒的だった。まったく力まず、でも、自然に自発的に音符が発せられる。放物線を描き自由落下するような自然体の音であった。フランクのソナタの出だしの、一音一音が微細な山と谷を持つような精細フレージングは、他では聴いたことがないものであった。さてブルッフのヴァイオリン協奏曲は、後年、クラウス・テンシュテット指揮ロンドン・フィルで再録音しているが、本ルドルフ・ケンペ/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団版は1972年5月、24歳の時の初録音だ。
かつての英デッカの名録音はハイレゾになり、より真価を発揮している。揺るぎなく安定した音楽の進行の上に剛性の高い中高域が乗る。レンジ感がひじょうに広く、ヌケが良い。レトリックではなくまさにアナログの素晴らしさをデジタルで伝えている。ヴァイオリンの音の深さからは精神性まで感じさせる。ロマンティックの極みの第2楽章も、耽溺過ぎずしっかりとした構成感だ。

 

●Vivaldi – La Stravaganza 12 Violin Concertos – 2LP
Rachel Podger Orchestra Arte dei Suonatori
Channel Classics
highresaudio.jp (WAV/FLAC 192kHz/24bit ¥3,564)

1739年製のバロックバイオリンを駆って颯爽と、躍動的な音楽を聴かせてくれる現代最高のバロックバイオリニスト、レイチェル・ポッジャー。Channel Classicsから、数多くの佳作アルバムをリリースしている。本ヴィヴァルディのコンチェルトは2003年にCDで発売されている。ひじょうに鮮明な、眼前オンマイク音場。オーケストラの各楽器から発せられる音が、壁に反射するなどのまだるっこしさを排し、直接、スピーカーから聴き手に向かってまっしぐらに飛んで来る。切れ込みは鮮烈で、はち切れんばかりの音の勢い。ソノリティーが厚く、密度が高く、音場に隙間がない。

 

●Mozart: Le Nozze di Figaro
Lisa della Casa, Hilde Gueden, Alfred Poell, Cesare Siepi, Wiener Philharmoniker, Erich Kleiber
Decca
e-onkyo music(WAV/FLAC 96kHz/24bit ¥8,229)

リーザ・デラ・カーザ、ヒルデ・ギューデンなど往年の名歌手たちと、エーリッヒ・クライバー/ウィーン・フィルによる伝説的名演。クライバー最晩年(逝去の半年前)で、ステレオ初期、1955年6月のたいへん貴重なセッション録音だ。当然アナログ録音だが、意外なほど鮮烈。当時のウィーンフィルのまさに馥郁としか表現できない芳しく麗しい音色が最大の魅力。それはまずヴァイオリン群だ。高域の音色のチャーミングなこと。旋律のトップをちょっとしゃくりあげる様が色気たっぷりだ。歌手の声質にはさすがに歴史を感じるが、最近のセッションのように音場内でオーケストラと調和する行き方ではなく、歌の輪郭をくっきりと隈取りする音像感から50年代の雰囲気、匂いが伝わってくる。

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