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【インタビュー】さらに進化した独自のサラウンド世界の構築~HDImpression阿部哲也さんに聞く page 1/3

音のつながりがよく空間がさらにリアルになった

マスタリング中のHD Impression主宰の阿部哲也氏

マスタリング中のHD Impression主宰の阿部哲也氏

 今年の1月にHD Impressionレーベルを立ち上げたレコーディングエンジニア阿部哲也さん。ハイレゾ、表現としてのサラウンドへの徹底したこだわり、新しい演奏家との出会いなど、独自の世界観による精力的な活動でファンを増やしている同レーベルは、先の10月末には早くも第3弾となる3作品をリリースした。日々、いろいろな試みでサラウンドを追求するHDIサウンドは、またどこまで進化したのだろうか。お話をうかがった。

――まず、今回の作品の内容について教えてください。

阿部 3タイトルあります。初回のリリースにあったクラシカル・アンサンブルグループ、「みくりやクワイア」の第2弾となる『IL regalo』、そしてこれも同じく初回リリースに続く第2弾で、チェロの植草ひろみ、ハープの早川りさこのコンビによる『Sound of the sky』、そして3番目がBamgBoom!(バンブー)という、オリジナルの竹の楽器で演奏する楽団の作品「竹ノオト」になります。

――では、まずみくりやクワイア『IL regalo』からお願いします。

阿部 みくりやクワイアは、季節柄、年末のクリスマスに向かってということを意識して、なじみやすくい、みくりやクワイアらしい音作りを意識しました。で、いきなりちょっと余談なんですが、これに合わせてポニーキャニオンからこのアルバム14曲中の13曲を収めた『教会で聴くクリスマスソング』というCDを発売しました。もともと、今回のアルバムと前回のアルバムを足してベスト的なものを出すという予定だったのですが、だいぶ話が変わってしまいました。(笑)

『IL regalo』『【HPL5】IL regalo』
HDI-aみくりやクワイア

●ファイル形式
WAV・FLAC 192kHz/24bit
DSF 5.6MHz/1bit
5.1ch WAV・FLAC・Dolby HD 192kHz/24bit
【HPL5】
WAV・FLAC 192kHz/24bit
5.1ch WAV・FLAC 192kHz/24bit


――教会の専属アーティストとして活動歴はベテランに入る女性の三声アンサブンブルですが、まさに狙い通りというところですね。

阿部 はい、なかなか教会に行って聴くことは出来ませんが、これを聴けば、教会で目の前で唄っている姿が見えてきます。是非この感覚を体験してみてください。

――植草さん、早川さんコンビの『SOUND OF THE SKY』はいかかですか。

阿部 前回が千葉県野田市にある欅のホールというところでのライブ収録だったのですが、このためどうしてもオーディエンスのノイズや空調ノイズが、けっこう入っていたのですね。その収録が終わったとき、もう一度、ぜひ聴衆ぬきのホール録音という形で録らせて欲しいというオファーをしていたのです。でも、お二人とも忙しくて、結局、2月にオファーしてスケジュールが取れたのは8月になっていました。
 今回の録音は、足立区にある、わたなべ音楽堂という小規模のホールです。現在ではとても貴重な木造なのですが、さらに円錐型をしていて、響きはとても柔らかな残響なのです。ロケハンでこれならいけると確信して、このホールで2日間かけて録っています。

『Sound of the Sky』『【HPL5】Sound of the Sky』
HDI-b植草ひろみ、早川りさこ

●ファイル形式
WAV・FLAC 192kHz/24bit
DSF 5.6MHz/1bit
5.1ch WAV・FLAC・Dolby HD 192kHz/24bit
【HPL5】
WAV・FLAC 192kHz/24bit
5.1ch WAV・FLAC 192kHz/24bit


――初回リリースの結果を踏まえて、今回はこんな音で録ろうという狙いはありましたか。

阿部 前回、少しお話させていただきましたが、みくりやクワイアも植草/早川の作品のときも、この制作時期、ワンポイントマイクシステムもいろいろな試みをやっています。そうした探究の成果として、フォーカスが合って、サラウンドにしたときのつながりがすごく綺麗になったということが手応えとしてあります。

――具体的には、どんなことをされたのでしょうか。

阿部 私が考えるマイクシステムは、耳の位置を基軸に上下と前後というマイキングなのですが、当初、前後方向は一台で前後方向をカバーする双指向性、上下が独立したマイクという構成だったものを、前後もマイクを独立させて、左右の計8本の角度、レベルなどの微調整をそれぞれのマイクで行えるようにしたのです。さらに曲に応じて、マイク位置ごとに無指向性、単一指向性を使い分けています。録音していると、やはり調整したい、上と下のバランスを調整したいというのが出て来るのですね。その方法が、だいぶ構築されてきたのかなと思います。

――まさにファインチューニングですね。

阿部 理想的には360度で録れるマイクを2つ用意して、頭の横方向に双指向性とすればいいと思うのです。でも、そんなマイクは存在しないので、やはり前方向中心、後ろ方向中心となり、それらが重複する領域が特性的にちょっと盛り上がるところが出てきます。それをいかにうまく角度とバランスを取っていくか、という課題ではあるのですが、当初よりも、細かく、より思いどおりに録れるようになりました。
 それと前回から変更になった点は192kHz/24bitで録音していることで、音源そのものをレベルアップしています。WAV、FLAC、さらに音源をアナログ出力してDSD音源化したもの、そしてサラウンドのマルチ、それにヘッドフォン再生のためのHPLと、フルラインアップでご用意したので、ぜひ皆さんにも聴いていただきたいと考えています。

阿部さんが開発した独自のマイクシステム(みくりやクワイアでのセッティング)

阿部さんが開発した独自のマイクシステム(みくりやクワイアでのセッティング)

同じく植草-早川コンビでのセッティング

同じく植草-早川コンビでのセッティング。ホールの作りも注目)


 

――やはりチューニングに対するレスポンスというか、細部の表現力を考えたレベルアップというわけでしょうか。

阿部 今、言ったように、よりフォーカスが合って繊細で、奥行き感も出たきました。私としては、よりその演奏空間の再現という理想に近づいてきていると感じます。

 

 

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