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PCオーディオ関連機器

【レビュー】オンキヨー SE-300PCIE

PC内蔵カード型として高レベルにある音質、デスクトップ派に好適だ

PCIeデジタルオーディオボード
オンキヨー SE-300PCIE
オープン価格(直販ショップ価格 3万4,800円)

ONKYO-se-300pcie

オンキヨー SE-300PCIE

このところ、サウンドカードの新製品に間が空いていたオンキヨーが満を持して発表したPCI-Express対応サウンドカード。DACチップにはバーブラウン製PCM1798を使用。チャンネル毎に差動出力させ、アナログ段で合成する方式を採用している。さらに、高周波帯域における相互変調歪が可聴帯域に影響するという見地から、特に2chアナログ出力回路はディスクリートかつ対称構造の回路設計として、リニアリティーの向上や低歪み化を徹底している。加えて電源部はフライバックトランスを使用した絶縁型スイッチング電源回路を採用しPC側のGNDとの絶縁を図っている。
なお、東信工業製のオーディオ用電解コンデンサーを多数使用しているが、アナログ部には銅シールド、デジタル部には磁性シールドによるカバーが取り付けられており、従来のモデルに比べるとシンプルな外観である。
また、 ASIO2.0、WASAPI排他モードに対応し低レイテンシー動作が可能である。内蔵DACを使用する場合には24bit/192kHzの音源再生に対応するが、デジタル出力は同軸・光共に24bit/96kHzまでとなる点に注意が必要だ。

ビットパーフェクト動作のための設定変更と優秀な低レイテンシー動作

ONKYO_300pcie_2本製品はCreative Techonology製のDSPチップを採用しているため、少々トリッキーな設定が必要となっている。通常のASIOドライバーであれば、単にASIOモードで使用すればプレーヤーで操作しない限りビットパーフェクトになるが、本製品では、
①「オーディオクリエーションモード」に設定する
②「EAXエフェクト」やその他のエフェクトを無効にする
③オーディオクリエイションモード上のボリュームを100%にする
という設定が必須となる。

何か操作を行うと若干音飛びが発生するものの、16bit/44.1kHzデータを通常で再生する場合には1msで音飛び等の問題はなく、DAWソフトウエアでは3.356msまで詰めることができた(ヘッドフォン使用時)。これは低レイテンシーと定評のある他社製オーディオインターフェースに並ぶ速度であり優秀な値と言えよう。なお、安定動作には5msは必要であった。

よく抑えられた高域の歪み感、高SN比は特筆すべきレベル

ONKYO_300pcie_3

豊富なオーディオ入出力を増設。アナログのマルチch出力にも対応

今回は、特に利用される場面が多いと思われるアナログ出力について試聴を行った。
まずはASIO動作での試聴。総じて印象的なのは、高域の歪み感のないことや音の細やかさ、良好なSN比、中低域の押し出しと低域方向の制動力が高いことである。特に高域の歪み感やSN比については特筆すべきレベルで、残留ノイズが気になってしまう音源さえあった。音数は多いがあまりそれを強調しない柔らかめの音作りなので、ぱっと聴いた感じは地味に感じられるかもしれない。音像定位は良好、音場はやや狭めで、空間表現は全体にマット調という感じがある。
この点、WASAPI動作の場合、高域の伸びたさわやかな傾向に雰囲気が変わるので、好みで選択すると良いだろう。また、音場表現も改善される。やや狭く感じられた音場も標準的な広さに感じられるようになる。

おそらく最も本製品の評価が分かれるのが低域だろう。帯域バランスとしては中域以上はフラット傾向で中低域にやや量感を感じる。とはいえ、中低域がだらしなく膨らむのではなく、非常に制動の効いた立ち上がりの早い低域を聴かせるなかでの量感の豊かさであり、好ましいものである。
反面、低域がかなりタイトであるため、特にハイスピード系を標榜するスピーカーや最低域の出ないヘッドフォンでは低域の量感や質量感が足りず、高域の地味さと相まって、聴感上ではカマボコ型の帯域バランスと感じられる場合もありそうだ。

ヘッドフォン出力の音量は充分に取れるレベルである。個人差があるので一概には言えないものの、一般的にとくに駆動しにくいといわれているヘッドフォン以外であれば、通常の音楽鑑賞には充分なレベルの音量が得られると考えて良いだろう。

レイテンシーの設定で音の傾向が異なってくる

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クリエイティブ・テクノロジー製DSP、TIバーブラウンPCM1798などのデバイスが見える。

なお、本来レイテンシーは音質調整のための機能ではないが、レイテンシーの設定でやや音の傾向が異なってくることに注意したい。ヘッドフォンでの試聴では、1ms等の極めて低レイテンシーな設定にすると、音場が平面的になり奥行き感が感じられなくなる。神経質でやや高域よりの帯域バランスになる。低レイテンシー動作に拘らないのであれば、設定は標準の50msか100ms程度でよいだろう。反面、スピーカーでの試聴では変化の傾向が異なり、レイテンシーは低い方が聴感上は好ましかった(5ms程度)。

ソフトウエア面で、Creative Techonology製の他のサウンドカードと同様に設定がトリッキーになる点は少し残念だが、特にヘッドフォン出力の品質は、従来のサウンドカードの印象を覆すほどの非常に良好なものであった。
3万円台とやや高額であるが、PCに内蔵してここまでの音質が出せるという点で、非常に使い勝手の良い製品といえる。特に、PCで手軽に良い音を楽しみたいが、あまり仰々しいことはしたくない、あるいはデスクトップオーディオでコンパクトにまとめたいという方には最適ではないだろうか。
(田村智理)

主な仕様

[定格]
●SN比:120dB(2ch ANALOG OUT)(22kHz LPF、A-Weighted 2011年4月現在、オンキヨー調べ。当社測定条件による。)●周波数特性:0.3Hz~88kHz(2ch ANALOG OUT、+0/-3dB)、0.3Hz~20kHz (マルチ出力、+0/-0.5dB)●ライン出力レベル:2Vrms●マイク入力感度:20mVrms●デジタル入力:(サンプリング周波数)44.1kHz、48kHz、96kHz●デタル出力:(サンプリング周波数)32kHz、44.1kHz、48kHz、96kHz●ヘッドホン対応インピーダンス:32Ω~600Ω●入力端子:アナログ入力端子×1(φ3.5mm/ステレオ)、マイク端子×1(φ3.5mm/ステレオ)、デジタル光入力端子×1●出力端子:2chアナログ出力端子×1(ステレオRCA、内部接続)、デジタル光出力端子×1、デジタル同軸出力端子×1、ヘッドホン端子×1(φ3.5mm/ステレオ)、フロントスピーカー(L/R)出力端子×1、センタースピーカー/サブウーファー出力端子×1、サラウンドスピーカー(L/R)出力端子×1、サラウンドバックスピーカー(L/R)出力端子×1●外形寸法(mm):25(幅)×126.5(高さ)×181(奥行き)mm(拡張ボード:21.5(幅)×126.5(高さ)×43.5(奥行き)mm)●質量:300g(拡張ボード:36g)
[動作環境(ハードウェア)]
●対応機種:オーディオボード用にPCI Express x1空きスロット1つ、マルチ入出力拡張ボード用にオーディオボードと隣接した空きPCIまたはPCI Expressスロット1つ、CD-ROMドライブまたは相当品(付属ソフトウェアのインストールに必要)を持つPC/AT互換機●接続インターフェース:PCI Express ×1●対応OS :Windows® 7(32ビット/64ビット)、Windows Vista®(32ビット) SP1以降*2 (いずれも日本語版)●CPU:インテル® Core™ 2 Duo、または同等のAMDプロセッサ 2.2GHz以上●メモリー:1GB以上●ハードディスク必要容量:600MB以上(付属ソフトウエアのインストール時)

■リンク
オンキヨー・製品紹介ページ
http://www.jp.onkyo.com/pcaudio/pciedigitalaudioboard/se300pcie/index.htm


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