第1回 伝統と高い技術から生まれたELAC 50LINE
ELAC(エラック ドイツ)から、これまでにないほどの魅力をもつエントリークラス・スピーカー、50LINEシリーズが発売された。ELACの代名詞ともいえるJETトゥイーターこそ搭載していないものの、コンパクトサイズの高級モデルを得意とする同ブランドならではのノウハウとクォリティーが色濃く反映された、意欲作といっていい内容を持つシリーズである。
そのラインナップも、デスクトップ用に使えるコンパクトサイズのブックシェルフからフロアー型、7.1chホームシアターを構築できるセンタースピーカーやサブウーファーまでと充実しており、様々な用途に活用できるようになっている。
そんなELACの新エントリー50LINEについて、3回にわたり様々な角度からじっくり紹介していこうと思う。
オーディオファンに親しまれてきた世界的ブランド
まずはELACがどんな特色を持つブランドなのかを、改めて振り返ってみようと思う。
ELACは、ドイツ北部、ホルスタイン州の都市キールに本拠を構えるオーディオメーカーである。誕生は1926年で、創立85周年を超える老舗ブランドだ。とはいえ創業当時は水中で使用するソナーなどの製造を手がけていて、オーディオメーカーとしてのスタートは1945年以降となる。
1950年代からはアナログレコード用のカートリッジに着手、1957年にステレオ・フォノ・カートリッジを開発し、MM方式(いまでも使われているごく一般的なアナログレコードの方式)の特許を取得してからは一躍世界的なブランドとなった。
現在でもELACという名を聞くとカートリッジ・メーカーのイメージを抱いているオーディオファンが多いのは、そんな経緯があるためだ。

エラックの名を揺るぎないものとしたCL310JETとCL330JETの最新バージョン、310CE(左)と330CE(右)。310CEの前面上部、円形のベースプレートのスリットの奥にJET型トゥイーターを配置している。
しかし1980年代に入り、世の中がCD主流になり始めたことがきっかけとなったのか、今度はスピーカーの開発をスタート。繊細で細やかな表現を得意とするリボン型トゥイーター4PIで成功を納める。1990年代に入ると、オスカー・ハイル博士が開発したハイル・ドライバーに注目。さらに独自のノウハウを加え力強さときめ細やかさの両立を実現した「JETトゥイーター」を完成、これを搭載する高級ブックシェルフスピーカーCL310JETをデビューさせた。
この製品が、ELACをスピーカーブランドとしても有名な存在へと広めることとなる。なにせCL310JETは、高さ208×幅123×奥行き282mmというコンパクトサイズであるにもかかわらず、高解像度でリアリティの高い中高域と、フロアー型の大きいスピーカーに引けをとらない量感あふれる低域を両立していたのだ。小型スピーカーといえば、低域のボリュームやフォーカス感はある程度割り切るのがお約束だが、ELACはその常識を覆す製品を誕生させたのである。
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