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ストレージ研究〜オーディオ的ハードディスク考察〜 page 3/3

 

(◎小見出し)

4.音源データのバックアップに配慮した高音質な外付けハードディスクの構築について

 

(1)HDDの選定と入手

日立GSTはWDに売却されたので、必要なら年内には確保しておいた方が良さそうだ。ただし、今回入手した2機種のように同じ日立GSTなら皆同じ音質レベルかというと必ずしもそうではない。

一つは1枚のプラッターによる1TB搭載で話題になったモデル「Deskstar 7K1000.C /HDS721010CLA332」で、出力インターフェースはSATA2の実効300MB/s、キャッシュは32MB。

もう一つは2TBの「Deskstar 7K3000/HDS723020BLA642」である。こちらは大容量化により厚みや重量もぐんと増えている。キャッシュは64MBと大きく、出力インターフェースはSATA3の600MB/sと倍の速度である。

比較試聴時のハードディスクケースは、秋葉館の「MacbethCombo2 RGH35MC2」を用いた。FireWire800/USB3.0/eSATAという3種のインターフェース出力を備えている。

スペックは7K3000の方が総じて良いのだが、音質的には、7K1000.Cの方が音の切れが良くスケール感もあって、その差はかなり大きい。

7K3000は少しばかり抑圧感があって、あまり広がらない感じだ。1枚プラッターが効いているのかどうか分からないが、一例とはいえコンピューター的性能を示すスペックと音質とが逆方向ということもあるわけだ。

ただし物理的に総当たり戦ができず、また新機種にどんどん変わっていくので、各メーカーの音質的に下位の機種と、別メーカーの音質的に上位の機種との比較はできていない。

上記リサーチ結果を踏まえてHDDは「日立GST製」を選択したい。機種的には1プラッターモデル「Deskstar 7K1000.C /HDS721010CLA332」あたりが良さそうだが、他に高音質のものもあるかもしれない。

(2)外付け用ケースの選定

秋葉館から新たに魅力的な新製品「FireONE ハードディスクケース [RGH35FO]」が登場した。FW800/400/USB2.0/eSATAという豊富なインターフェースで、旧Oxford製チップ搭載、しかも前面からワンタッチでHDDを交換できる。本機1台有れば入れ替えて使用できるので、とても便利だと思う。SATA6Gbpsにも対応しているが、実際にはUSB2.0が上限で、またHDD差し替え回数も一定制限がある事に注意されたい。

ハードディスクケース
林檎派 MacbethCombo2[RGH35MC2]
8,990円

ハードディスクケース
林檎派FireONE[RGH35FO]
1万1,800円(HDDは付きません)

■問:秋葉館 TEL.03-3255-8252
http://www.akibakan.com/hdd-ssd/external_hdd/

(3)外部電源アダプタの交換による音質改善

実は3.5インチHDDやNASは起動時に電気的にも機械的にも大きな負担が掛かるので、常時通電を基本として設計されている。

いずれにせよ起動時に大きな電流を要求することは間違いないので、最低でも2A~2.5Aは欲しいところだ。

市販オーディオ用電源ではエルサウンドの「汎用アナログ電源DC12V 2.5A」がこれを満足している。

汎用アナログ電源
エルサウンド DC12V2.5A
\16,000(キットでの販売)

■問:エーワイ電子 TEL.072-672-2224 ※写真は15V品のもの

http://sv50.wadax.ne.jp/~ay-denshi-com/articles/html/products/list.php?category_id=1

(4)バックアップと音源データの世代管理

①バックアップの考え方

常時データが更新されていく大規模業務用システムや録音のバックアップなら、RAIDというHDD複数利用の方法もあり得るが、音源についてはデータの追加・更新は個別に管理できるので、個人の音源ストレージにはシンプルなバックアップ管理方法のほうが向いていると考える。

②バックアップのとり方(メディア収録のハイレゾデータ)

DVDやUSBメモリーなどメディアに収録されたハイレゾデータは、メディア本体をバックアップとして保存しておき、常にそのメディアから直接データをコピーするようにしたい。

③バックアップのとり方(ダウンロードしたFLACデータ)

プロは常にマスター、つまり親データは保存しておき、それをコピーした子データを作業用に使う。これを見習ってFLACなどの「ダウンロードデータ保存用マスターHDD」を一つ作る。これはさほど高音質なHDDでなくても良い。ダウンロード時にはこのHDDを保存先に指定して直接FLACデータなどを収録する。

そして、FLACからリアルタイムに展開しながら再生するよりも、先に解凍展開しておいたWAVEファイルを再生する方が音質的には優れている。そこで解凍展開ソフトウエアでマスターHDDのFLACを展開して、WAVEファイルを音源用HDDに直接書き込むのが一番だ。これならば常に第1世代の新鮮なWAVEファイルを使うことができる。

(5)より高性能なexFATでのフォーマット

前号で詳しくご紹介したように「exFAT」でフォーマットした方が、より音質的に情報量が増す傾向にあるので、是非お試しいただきたい。

(6)HDDの振動対策

HDDは回転機器なので、振動には充分注意する必要がある。筆者の場合は逸品館の小型フローティングボード WFB-0115-1の上にHDDを設置して振動対策を講じた。

ウェルフロートボード
エアボウ WFB-0115-1
1万5,000円

■問:(株)逸品館 TEL.06-6644-9101

http://www.ippinkan.com/airbow_WFB-0115-1.htm

 

5.今後のストレージ研究について

音源ストレージについて、まだまだリサーチする項目はあると思うが、スタジオ同様に各ユーザーで音質的に優れたHDDを選別しては残していくという作業が必要なことをご理解願いたい。まさにオーディオそのものと言えるだろう。

(本記事は2012年発売のPCオーディオfan No.6より転載しています)

 

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  • jowaldner

    とても興味深い記事でした。
    パソコンや外付けHDDは、音楽を聴く道具としては静音性の点でオーディオ製品の足元にも及びません。HDD自体の静音性が良くてもケースのファンの騒音に悩まされます。放熱に於いてもオーディオ製品が勝ります。パソコンもHDDも長時間使用では物凄く熱くなります。大丈夫か?というくらいにです。静音と放熱、この二つの課題が克服されればPCオーディオは更に発展すると思います。次回は静音性に優れたHDDケースの特集記事を期待致します。

  • juubee123

     CD再生とファイル再生の音の違いは、記録媒体からの読み出しの違い、という一点に尽きますので、このような具体的な取り組みと提案はとても有難いです。

    ・気になった点
    「ハードディスクについての復習」-「(3)ハードディスクにもエラー訂正機能がある」の2で、
    >オーディオビジュアル用途の場合は・・中略・・エラーリトライ処理も途中で止めたりする場合もある。
    と書いていらっしゃいます。これはHDDの読み込み時の処理を指しているのでしょうか?
    この後に出た某社のムック中の図で、時間制限を受けるストリーミングは再生ソフト以降のことで、HDDからの読みは時間制限を受けない、とされているようですが・・

    ・HDD比較
    あまり綿密な検証はしていませんが、総じて外周(PC画面上では先頭)のほうが音が良いように思います。それで、最近は、なるべく条件を揃えるために、比較する音声は最外周に確保した3G程度のパーティションに置くようにしています。なんならお試し下さい。

    現状では聴感ぐらいしか比較の方法がないのですが、より客観的なデータとして、エラー訂正前の生のエラー発生率が気になっています。ところが、なかなか見つかりません。内部資料で○秘なのかもしれません。
    SMARTにその項目はあるものの、どこまで信用していいのやら・・、といったところなので、この点はもっとお勉強したいと思っています。

    あと、キャッシュは使用しないほうがいいと思います。日立ならFeature Tool でキャッシュを停止できますので、なんならお試し下さい。

  • buraikan

    どー考えてもプラシーボ(笑)
    0か1しか無いデジタルデータが、HDDによって変わる?
    そんなことあったら、今の情報化社会なんて成り立ってないですよ?
    A社が日立のHDDのPCで作ったデータを
    B社のWDのHDDのPCに入れたらデータが変わるってな程度のことですよ?

    PCにCDから取り込むときの光学ドライブによる差はあるかもしれませんが、
    再生するときのHDDの差?そんな物ありません。
    それよりも、DACとか使ってるPCのソフトなり、設定なりのほうが
    影響すると思いますがねぇ。。。

    1950年生まれってことは、70代でしょうし、
    失礼ながら、耳も衰えてきて高音とか聴こえてないとも思いますし、
    こんな感覚だけの記事書いてお金もらえるなんていい商売ですね~

    これを信じてる信者も信者ですが(笑)

Profile

御田照久(おんだてるひさ)

1950年生まれ。射手座A型。大阪生まれの大阪育ち。音楽と美味しいものをこよなく愛し、沖縄に惹かれるウチナーチュ見習い。面倒臭がりなので、得意料理はパスタ系が多い。高校時代からハンダごてを握り、リタイアして日々音楽三昧。介護のかたわらPCオーディオ邁進中。

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